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*嫌な記憶 ページ42

「あれ?もしかして凪?」

『…ああ、久しぶりだね。』

「うわー笑 相変わらずだな笑」



仕事が終わり、テレビ局内を歩いていたらたまたま小学の頃の同級生の男に出会った。

どうやら今はスタッフとして働いているらしい。



「にしても身長高いなー。今何センチ?」

『175センチくらいかな。』

「俺よりも高いじゃん笑」



「マッジで男の要素しかねぇな!笑」



悪意があるのかないのかわからない言葉に、私は嫌な記憶を思い出す。



「小学ん時もそうだったよなー!髪短くてズボンばっか!今と変わんねー!」

『それは何よりだよ。』

「3年の時だっけ?1回スカート履いて来た時あったよな!あれマジで似合わなすぎてダチと爆笑した記憶あるわ!笑」



私がまだ、女の子らしく、を諦めていなかった頃。

生まれつき中性的な私の顔はあまりにもロングヘアやスカート、女の子らしいフリフリしたものは似合わなかった。

幼い頃から周りから可愛いものは似合わないと言われ、親戚からも男の子っぽい服装などをプレゼントされ、それを周りは似合うと褒めていた。

その頃はまだ良かった。

周りが褒めてくれるから、これが正しいのだと思っていたから。

小学生になって、少し可愛いに憧れた。

確か、その日はおばあちゃんに会う日だったかな。

おばあちゃんだけが、可愛い格好をした私を好きだと言ってくれた。

だから可愛いスカートを履いて、学校の後おばあちゃんに会いに行く予定だった。

学校に行けば地獄だった。

ひたすら似合わないと笑われ、もう二度とこんな格好をしないと決めた日だった。



「つーか大人になっても女らしさ無いって大丈夫かよ?笑」

『大丈夫、とは?』

「結婚とかあるじゃん!もう30近いんだし、早めに相手決めといた方が良いって!…ま、そんな格好じゃ彼氏もできねぇか!笑」



ああ、不快だ。

不快という気持ちが脳を一気に支配した。

だが、それは決して表に出さないようにポーカーフェイスを貫く。



「まずはその男っぽい格好やめるべきだな!そうすりゃあメンバーからも女として見られて即結婚できんじゃ…」

『ご存知なかったら申し訳ないが、私、アイドルなんだわ。』

「え?いや、知ってるけど…」

『ならいいわ。んじゃ。』



私はそれだけ言って去っていった。

…早く家に帰って、寝よう。

寝れば、この嫌な記憶も薄れるだろう。

早く、早く、



この不快な気持ちをどうにかしなきゃ。

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愛結(プロフ) - 私は凪ちゃんのスカート姿見たいよ!見たいよおお!! (4月3日 14時) (レス) @page47 id: 6e8b454d13 (このIDを非表示/違反報告)
愛結(プロフ) - もう尊い。その言葉に尽きる。いつも楽しみにしています!更新ありがとうございます! (4月3日 14時) (レス) @page46 id: 6e8b454d13 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ(プロフ) - 読み始めたばかりですが、とても読みやすいし面白かったです!作者様のペースで更新してくれたら、とても嬉しいです!更新待ってます! (3月20日 2時) (レス) id: 0f350c242c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なーー | 作成日時:2024年3月14日 11時

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