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103. ページ5

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渡「何、今絶対そういう雰囲気だったじゃん」


「ごめん…まだ、待って。翔太、まだ何か隠してること、ない?」


渡「…隠してるって、何?もう全部話したって
まだなんか疑われてる?」


「疑うとかじゃなくて…私に言えないことなかった?」


渡「ないよ、なんも。」




これじゃ話してくれる空気じゃないな。




「あるでしょ?私見ちゃったよ、テーブルにあった資料」


渡「…なに、資料って」


「まだ知らないふりするの?私そんなに頼りない?」


渡「…頼りないとかじゃなくて、何もないんだって」


「何もなくないじゃん、ロンドンのこと!
知ってるよ、断ったこと」


渡「…知ってんならもう終わったことだし、
別に隠してたわけじゃ」


「本当は行きたいんでしょ?」


渡「別に、興味ないから断った。それだけ。」


「じゃあここに持ってきて置いておく必要ないよね」


渡「…シュレッダーかけようとして間違えて持ってきただけだし」


「行かないのは、私のため?」


渡「…だから、興味ないって」


「同情で行かないって言われるのは嫌だ。
行かなかったことを後悔してる翔太と一緒にいたって楽しくない。お互い辛いだけ」


渡「関係ないって言ってんだろ」


「行くべきだと思う。ロンドン。
私は、翔太の可能性をつぶしたくない。
私は、ちゃんとひとりでやれる。学校も卒業して、ちゃんと社会人になる。翔太がいない分、強くなる。」



うそ。行ってほしくないくせに。
でも、本当。



渡「ダメだな、俺。」


「え?」


渡「Aは、こんなに強いのに。
俺がダメなんだ、…Aがいないと。
あっちに行ったら、3年は会えないんだぞ?
時差もあるし、簡単に連絡も取れるもんじゃない。
お前も卒業が近付いたら、俺のことなんて…二の次になんだろ。」





こんなに弱々しい翔太、初めて見た。

美容師として、オーナーとして、日本を代表して。
たくさんのものを背負っていく覚悟。私には想像もできないけど…。



「翔太…、」


渡「でも、心のどっかでは、迷いもあった。
このまま行かないで俺は本当に後悔しないか、って」


「待ってるから、翔太が帰ってくるの、ここで。
この家で、待ってるよ。ちゃんと。
翔太は、行くべきだと思う。」


渡「ごめん、ありがとう…。
俺。行くよロンドン。Aの為に、さらにでっかくなって帰ってくる。絶対。だから…待ってて。」


「うん、待ってる。」




私ちは長い時間抱き合って泣いていた。

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ゆきだるま@omi(プロフ) - 気付かずにすみません、ご指摘ありがとうございます!💦 (3月28日 1時) (レス) id: e0493104b1 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ - 正しくは『外し忘れてますよ💦』です。実在してる方のお名前をお借りしている以上、外すのがマナーとなっておりますのでご協力のほどをよろしくお願いいたします🙏 (3月27日 20時) (レス) id: c5e9355c9b (このIDを非表示/違反報告)
しぃ - オ/リフラ外して忘れてますよ💦 (3月27日 19時) (レス) id: c5e9355c9b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2024年3月27日 17時

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