涼太side ページ8
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康二に送ってもらって学校に着いた
教室はいつも通りなのに、心がざわざわするのは多分翔太がいないから
小さい頃は一緒に体調を崩して休むこともあったけど、俺が一人で保育園や学校に行ってる回数の方が圧倒的に多い
そういう日は心配で、寂しくて、それは高校生になった今でも同じ
なんか気持ちも落ちちゃって、ぼーっと外を眺めてみる
「なぁ涼太、こん中だったらどれがタイプ?」
急に近くで話していたグループの1人に話しかけられた
「え、...どれのこと?」
「これ!」
見せられたのはセクシーなお姉さん達が載っている雑誌で、そういうのにあまりノリが良くない俺は
「えっと...どれとかないかな...。その...」
「なに、興味ねぇの?」
「っ...」
「ノリわる。もういいや」
上手く答えられなくて、濁した回答をしてしまった
せっかく話しかけられたのにダメダメだ
こんなだから友達が上手く作れないんだよなぁって自己嫌悪
今までは一緒だった翔太達に隠れて、話しかけられても翔太が答えてくれて後ろで笑ってただけ
高校生にもなって、結局1人じゃ何も出来ない事に気付かされて、気持ちが重くなった
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作者名:きゅん | 作成日時:2024年1月1日 22時