大介side ページ29
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座っている涼太の前にしゃがめば、目を逸らして気まずそうにする
もう、仕方ないなぁ...
「体調悪いの、隠されて兄ちゃんたち悲しかったよ」
涼「...ごめんなさい」
「今は大丈夫?」
涼「ん、もうなんともないの」
亮「ちょっと目見せてね。ん〜、とりあえず安静だね。急に動いたりしないようにね」
亮平にに目の下をめくられて、釘を刺された涼太
涼「分かった...」
辰「貧血しんどかったでしょ。辛い時はちゃんと周りを頼るんだよ?」
こくりと頷いた涼太は浮かない顔
この子は随分引っ込み思案に育ったなぁ...
言い換えれば、人に迷惑や心配をかけたくない思いが強いだけで優しい子なんだけどね
「んにゃ、そんな暗い顔しないの。倒れて怪我したりしなくてよかったよ〜」
頭をぐしゃぐしゃって撫でてあげると、翔太に手を引かれた
「なぁに?翔太も撫でて欲しい?」
翔「はぁ!?そんなんじゃない!涼太倒れてんだからそんなに撫でたらクラクラするだろ!」
涼「ちょっと、翔太。大丈夫だってば...」
翔「...俺怖かったんだからな。顔真っ青だし、フラフラでしんどそうで」
確かに翔太は少し体が弱いけど、普段元気な涼太となれば心配になるよね
それに、涼太が体調崩す時は基本翔太も体調が悪いから、辛そうな涼太を目の当たりにして不安になったのかも
涼「ごめんね、気をつける。もう倒れないよ」
俺もう元気だよって、勢いよく立ち上がろうとする涼太を慌てて止める
照「涼太、亮ちゃんにさっきなんて言われたの」
涼「急に動かない...」
亮「分かってるならよろしい。気をつけてね」
頷いた涼太は、翔太の手を握って、もう一度大丈夫だよって伝えて
やっと翔太も心が落ち着いてきたみたい
でも、根本的な問題に誰も気づかなかった俺ら
まさかこれからが大変だなんて思っていなかった
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作者名:きゅん | 作成日時:2024年1月1日 22時