僕でいること (ページ20)

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涼太side ページ20

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保健室に連れてきてもらうと、先生は戻って行った

ぼんやりしててすぐに気づかなかったけど、音楽の先生だったみたい

音楽は２年生までしかなかったから久しぶりだったけど俺の事を覚えてくれてたんだ

先生｢保健室使うの初めて？｣

もちろん初めてだし、保健室の先生とも関わりがなくて、人見知りしてしまう

静かに頷くと、ソファーに座る俺の前にしゃがんでくれた

先生｢お名前とクラス教えてくれる？｣

｢3年4組の深澤涼太です...｣

先生｢あれ？翔太くんの双子ちゃんだ！...どこが具合悪くなっちゃった？｣

どうやらよく体調を崩す翔太のことは知っていたらしく、明るく話してくれる先生に少し慣れてきた

｢なんかクラっとしちゃって。しゃがんでたら先生が声掛けてくれて...｣

先生｢んー、貧血かな？一応体温測ってくれる？｣

先生に体温計を渡されて、脇にはさむ

PiPiPi...

先生｢...熱はないね。でも顔色も悪いし少し休もうか｣

｢え...熱ないのに？｣

先生｢体調が悪い時は休まないと。それに授業中に倒れたら困るでしょ？｣

そう言って俺をベッドに誘導すると、内線で先生に保健室で休ませると連絡してくれた

保健室なんて小学校で早退した時以来で、なんだか緊張しちゃって眠れない

先生｢足高くしておこうか。タオル重ねてあるところに足を置いてくれる？うん。じゃあカーテン閉めるから何かあったら声かけてね｣

シャーっと軽快な音を立ててカーテンが閉まった

モヤモヤ考えちゃって眠れないけど、今は５時間目

あと２時間で翔太と帰らなきゃだからそれまでに元気にならなきゃ

そう思って目を閉じた

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