僕でいること (ページ19)

今日:40 hit、昨日:177 hit、合計:66,060 hit

涼太side ページ19

ﾟ

過保護な兄弟たちは、それはもう丁寧に怪我の処置をしてくれて

1週間もすれば痛みは気にならなくなった

相変わらずクラスメイトは俺をいじるのが楽しいらしくて

辛いけど、もし俺が行動を起こしたとして｢冗談だった｣なんて言われたらそれまでだ

「あ、涼太！次の授業、場所変わったって。南校舎の２階のとこ！」

｢そうなの？ありがとう｣

一緒に移動教室に行くような仲の子もいなくて、教科書を持って重い腰をあげる

俺たちがいるのは北校舎で、南校舎は理科室や音楽室など教科ごとの教室がある

階段を降りて、また昇って

南校舎の２階までたどり着くとそこにはクラスメイトは誰もいない

なんなら教室には鍵がかかっていて、ここまで来てやっと嘘だったことに気づいた

♪〜

急いで移動しようと足を進めたところでチャイムがなって、スマホを見たら授業開始の時間

間に合わないってわかったら、もう急ぐ気力もなくなった

すぅっと血の気が引く感覚がして教科書を抱えたまましゃがみこむ

制服が汚れそうだけど、壁にもたれかかって息を整えていると

？｢どうしたの？大丈夫？｣

涼｢っ...｣

ふわふわした感覚のままゆっくり顔を上げると先生が立っていた

先生｢クラスとお名前教えてくれる？｣

涼｢3年4組の深澤涼太です...｣

先生｢あぁ、深澤くんか！顔色悪いね。具合悪いのかな？一緒に保健室行こうか｣

体を支えられて立たせてもらって、ふらふらと階段をおりる

保健室は南校舎の１階にあるから割と直ぐにたどり着いた

保健室いやだなぁ...

でも今から授業に戻るのも辛いかも

ﾟ