涼太side ページ13
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結局筆箱は、家族にバレないように学校に置いておくことにした
家にも文房具はあるか、持ち帰らなくても大して困らないしね
そんな悩みが毎日膨らんで、増えて
たった1週間ほどで目まぐるしく状況が変わったから、自分でもいっぱいいっぱい
嬉しかったことと言えば、翔太の体調が徐々に回復していったことぐらい
一昨日やっと微熱にさがって、昨日は念の為休んだけど、今日から登校なんだ
翔「いや〜、学校一週間ぶりだわ。授業だいぶ遅れてそう」
「ジェシーと慎太郎からノートのコピー貰ってるでしょ」
翔「ん、昨日それで予習した」
亮「なら大丈夫だね〜。わかんないとこはメモして帰っておいで、見てあげるから」
翔「さすが大学院卒!」
亮「なんかバカにしてる?笑」
そんな楽しげな会話をしながら朝食を食べていると、あっという間に家を出る時間
「翔太、急がないとバスの時間遅れちゃう」
翔「まって、まだ食べきれてない」
風邪で食欲もだいぶ落ちていて、さらに少食になってしまった翔太はなかなか箸が進まないらしい
照「ゆっくり食べな、今日はついでに送ってくから」
翔「まじ?ラッキー!」
辰「調子に乗るなよ〜。今日は念の為だからな?」
「ひーくん、ありがとう」
照「ん。久しぶりに翔太と登校だな」
翔「なに、りょーた寂しかったわけ?」
「...うん、寂しかったよ」
つい本音が出てしまって、隣にいる翔太を見るとびっくりして変な顔
蓮「あは!翔太びっくりしすぎ!」
翔「きゅ、急に変なこと言うなよ!」
「ふふ、ごめんね」
こんなやり取りが楽しくて、つい笑顔になる
最近は学校に行くのが苦痛で、朝からこんな気持ちになる余裕がなかったなぁ
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作者名:きゅん | 作成日時:2024年1月1日 22時