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『当然、、SnowManの事も…俺のことも……
全く覚えていないんだって…』


「……そっか…」



佐久間は俺の手を握って今にも泣きそうな顔をしている。
その静寂をきるようにふっかが俺に話し始めた。



「……阿部。少し、休む時間が必要だと俺は思うよ。」


『…ふっか……』


「俺もそう思う。ただ、これは阿部の判断だからなんとも言えない。」


『ひかる…』



リーダーと最年長にいわれたら、その選択をするしかなくて、
ただ自分でもその選択がいちばん正しいこともわかってて、
胸が苦しくなった。

仕事はとても好き。
みんなで、9人でいられる瞬間がたまらなく好き。
なのに、少しずつその時間が減っていくことがとてもつもなく嫌だ。

受験期に照を含め5人にはとても迷惑をかけてしまった。
これから先、ライブとかもあるかもしれないのに、
1人抜けるだけで立ち位置、曲振り、
何もかもが異なってきてしまう。
迷惑だけは…かけたくない。


でも、アイドルと同時に俺はAの彼氏だ。
身内の居ないAには起きてから誰もいなくなってしまっては不安でたまらないのだろう。
Aの治療費だって稼がなくちゃならない。

Aが落ち着いたら少しずつ動画に出たい。
たとえ両立が難しかったとしても、俺の大好きな空間に少しでも居たい。


色んな思いが募って訳が分からなくなって頭が痛くなった。



『…俺……「阿部。迷惑かけちゃうって思うくらいなら休んで。」



これまで黙ってきた舘さんからの言葉。
受験期も舘さんとはギクシャクしてしまったから、
すごく申し訳ない気持ちが強い。



『……迷惑かけちゃう。けど…Aが落ち着くまで……俺に裏方の仕事をさせてください…』



ほんとに狡いと思う。
舘さんがああやって言ってくれているのに、
それを蔑ろにする様な発言。



「…それって、表には出ねぇってことかよ。」


『わがままだとは思ってる。けど、Aも、みんなも、どっちも大切なんだ……』


「阿部ちゃんは、それで体調とか、心とか疲れへんの、?」



康二から言われた言葉…
"疲れない"と言ったら嘘になってしまう。
だが、どんなに疲れたって、Aがそばに入れば、メンバーがそばにいてくれれば元気が出る気がする。

渋々だが、マネージャーと照にOKをもらって、
俺は明日から裏方として働くことになった。

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作者名:蒼空 | 作成日時:2024年3月25日 21時

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