阿部亮平が知りたいのは ページ10
A「あべちゃぁぁん」
ふらふらと寄ってくる楠さんを受け止める。
あーもー、ほんとどんだけ飲んだのこの人は。
どんだけメンバーをノックアウトすれば気が済むのこの人は。
楠さんは、不思議だ。
俺が今まで関わってきたどんな人とも、ちがう。
まず、小さい。
A「わぁ、あべちゃんがぎゅーしてくれたぁ」
うん、俺の腕のなかに収まっちゃう。
ふわふわの触り心地もかわいい。
A「いいこいいこしてくれるんですか?」
頭もいい。けど、変なところは抜けてる。なんで名もなきバーの名前を覚えられないのかがわからない。
A「にょー、阿部ちゃんの髪の毛がほっぺに当たってくすぐったいよぉ」
いいかおり。
匂い系が嫌いだから香水とかもつけないって言ってるのに、この甘い香りはなんだろう。
こんな小さいのに、力もあるし。
友人関係なんてすごすぎる。
今日知った新情報は、お酒に飲まれると甘々になること。
知れば知るほど新しい情報がでてきて、飽きない。
A「あべちゃん?」
阿「楠さんはブラックホールみたいな人だね」
A「んー?どゆことですか?」
阿「未知の領域がすごくたくさんあるのに、踏み込むのは躊躇うんだよね」
A「ふーん?」
踏み込むのは、怖い。
A「じゃあ…」
阿「わぁっ!」
突然の、全力のハグ
A「わたしはブラックホールだから…阿部ちゃんのぜんぶすいこんで、もらっちゃおうかなっ」
阿「!!!」
なにこの子。
こんなの…惹かれない方が難しい。
渡「バカか!離れろ!」
A「うるさいわたなべぇ」
阿「はは、でた、」
楠さんはブラックホールみたいなひとだ。
周りの人間全員、その魅力に吸い込まれてしまっているじゃないか。
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作者名:まめ | 作成日時:2023年2月27日 11時