佐久間さんちは今日も幸せ2

＊拒絶 ページ26

少し遅れて控え室に戻ると、メンバーが衣装から私服に着替えていた。


脱いだ服やドライヤー、さらには私物までがあちこちに散らばっていて、さながら体育会系の部室のような雰囲気だ。


(そや、まず最初に挨拶やったっけ！)


紫耀から言われたことを思い出して、中に入りながら声を張り上げた。


康「みんなお疲れ様でしたぁ！」


大「康二、戻ってくんの遅かったじゃん！俺らのパフォーマンス、ちゃんと見てくれてた？！」


康「もちろんや、めちゃくちゃカッコ良かったで！さっくんのバク宙も最高やったわ」


大「にゃははー！やったぁ、佐久間さん褒められたー！」


まだ着替え途中だった大介は、Tシャツに下着1枚の格好でガッツポーズをしてみせた。


その隣では既に私服に着替えた辰哉と照が苦笑している。


辰「これからはお前もあの中に入るんだからね。感心してる場合じゃないよ？」


照「そうそう、明日からダンスレッスンとボイトレが始まるんだろ？頑張れよー！」


康「いやー、やめてやぁ！めっちゃしごかれそうで怖いやん！」


辰哉や照達から容赦なく突っ込まれて悲鳴を上げると、それまで黙っていた翔太が急に口を開いた。





＊





翔「は？何でもうこいつが入ることになってんの？」


涼「おい、翔太…っ」


翔「俺は認めないって言ったよな。今更そんな素人みたいな奴とやってくなんて無理なんだけど」


私物のバッグを手に立ち上がると、自分の座っていた椅子を思いきり蹴り倒した。

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