佐久間さんちは今日も幸せ3

＊インフルエンザ ページ22

ラウールが熱を出した。


昨日の夜からあまり元気がなかったけど、今朝になったら顔が真っ赤で咳まで出ている。


布団に寝かせたまま体温を計ってみたら、思った以上に高かった。


ラ「けほっ、けほっ…」


亮「うわ、38度6分かぁ......」


大「りょーちゃん.......ラウの様子はどう？」


亮「あ、大介。子供部屋に入って来たら駄目だよ。ラウ、たぶんインフルエンザだと思う」


大「えっ、マジで？！病院開いたらすぐに連れて行って、診て貰わなきゃ！」


亮「あと蓮とラウの寝る場所も、今日から別々にしないとね」


大「俺、今日仕事行く時間、遅らせて貰おうか？亮ちゃん1人で看病するのは大変でしょ」


子供部屋のドアの前でオロオロと右往左右する大介の様子に苦笑してしまった。


一応俺はインフルエンザの予防接種を受けているけど、多忙な大介は病院に行く時間すらなかなか取れない。


しかも、アイドルという職業柄、万が一インフルエンザに感染しようものなら、グループ全体の仕事に影響してしまうのだ。









＊＊＊＊＊









亮「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。俺の方なら今週はずっとオンライン授業だし、ラウの看病は任せて」


大「でも.........」


亮「もうすぐコンサートのリハも始まるんでしょ？お前がうつったら、メンバーにも迷惑かかっちゃうんだよ」


大「ん........分かった。じゃあ、代わりに蓮の学童のお迎えは俺が行くよ」


亮「ありがと。もし間に合わなかったら蓮なら1人でも帰れるから、無理しないでね」


ラ「けほっ......さっくんおしごといくの.....？」


大「ラウぅ......側にいてあげられなくてごめんね？さっくん、今からお仕事に行ってくるよ」


ラ「にーには…？」


大「にーにはお風邪がうつるといけないから、下の階にいるよ。治ったらいっぱい遊んでもらおうね？」


ラ「ぅん.......」


瞳いっぱいに涙を浮かべるラウールに、大介まで泣きそうになってる。


本当は思いきり抱き締めてあげたいのをグッと我慢してるんだろうなぁ。


ギリギリまでラウを見守っていた大介だけど、やがてマネージャーが家の前まで迎えに来ると、何度も後ろを振り返りながら家から出て行った。

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