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募る不安 ページ9

これだけ愛されているのだから




なんにも不安になることないだろうと思ってた。






黒「おまたせ」



放課後、用事があるからと蓮くんを待っていた。




付き合って約1ヶ月がたった。



何も変わることなく加速していく毎日。







学校では前後で帰りは隣を歩く。



最近、ここ1週間、2日に1回は放課後待つことが増えてきた。


蓮くんは教えてくれないけれど、



校舎裏を窓から覗くとそれは女の子からの告白で




不安をかけないようにって言わないけど



毎回かわいいって有名な同級生、後輩に





迫られているのは自分の彼氏で。




毎日、蓮くんが戻ってくると別れ話なんじゃないかと不安だった。心配だった。








それぐらい蓮くんの存在が大きくなっていってるんだと思う。





離したくない、と思ってしまった。



この暖かく包んでくれる人の


側に、ずっとずっといたいと思った。






「蓮くん」




黒「ん?」




「好きだよ」





離れないでなんて、図々しくて言えなかった。



ひとりにしないで、なんて




蓮くんと一緒にいたいよ、ずっとずっと、なんて




言えなかったけど









伝わってほしかった。




同じ気持ちでいてほしい。









蓮くんと出会ってから



欲張りになっていった。






だめだなって思っても、止められなかった。





全部全部あげるから、なんでもするから



離れないでって。









どんどん、抜けられなくなった。




抜けたくなくなった。






綺麗な童話みたいに



嘘でも幸せな夢を見ていたい。









いつか、この手が離れたら




私は生きていけるのかな。








黒「卒業したら東京の大学に行くんだよね」



「え?地元じゃなくて?」





同じ学部で同じカリキュラムが東京の大学にもあって。離れるの嫌だなーって。推薦もそこにしてもらった。








嬉しかった。







同じ気持ちで同じ方向をむいている。




もうしばらくはこの手を離さないでいられそう。














冬「モテるね?目黒くん」





「かっこいいし、性格いいもんね」





冬空ちゃんと食べるお昼。



蓮くんが友達と食べるときは


冬空ちゃんと食べる。







あそこのカフェ、インスタで載ってたね、とか



あのリップほしいんだー、とか



よくある話をしていると







誰かが肩を叩いた。






黒「、あのさ、放課後なんだけど、」






なんてどこかぎこちない蓮くんがいた。

違和感→←触れる肩



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作者名:あまつかくらげ | 作成日時:2024年3月20日 21時

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