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遠くへ ページ13

卒業式を終え、その足で東京へ向かう。





「離れなくて済むね?」




黒「よかった、近くで」






手を繋ぎながら微笑み合う。



家を出る。



何もかも捨てて、蓮くんと過ごしていく。







桜が散っていく。


もう全部、捨てて。新しい毎日を。







マ「乃杏!!!」



後ろから呼ばれた名前。


毎日聞いてた声。嫌いだった声。





「、ママっ、」




マ「どういうこと?先生から聞いたわよ。東京の大学ってどういうこと?聞いてないし、許してないけど」



「だから、大学に行きたいからって、」



マ「いいなんて言ってないんだけど」





私に掴みかかるのはやめて、後ろにいる蓮くんに視線を移す。




まずい、と思ったのも束の間、蓮くんに罵声を浴びせる。






マ「あんたが唆したんでしょ?そもそも、稼ぎもなくてどうするつもり?この子に何かあったらどうしてくれんのよ!!!」




黒「乃杏も僕も学生寮に入ります。乃杏の場合、奨学金で授業料やその他諸々、免除されるので心配ないと思いますし」





なにより、何があっても僕が守ります。





その言葉で、ほっとした。


ママに会わせるつもりなんてなかったし


こうなるって分かってた。





「ママとは、会うつもりない。」



言ってやった。なんて思ったけど



逆撫でしたようで





マ「ママがいなくて生きていけると思ってんの?!」





引っ張られる髪、叩かれる頬。




カランカランッ






ちぎれて落ちるブレザーのボタン。




「痛いッ、痛いよッ!!!!」






振り払う手。



離れるママと私。




黒「乃杏っ」




引かれる手。




全力でかけていく蓮くんと引かれていく私。




駅まで全力疾走して、人をかき分けてホームへの階段を登る。




やっと立ち止まる、蓮くん。






荒くなる呼吸、足りない酸素。




黒「ごめッ、無理やり、」




違うよ、違う。



必死に首を振る。



「、ありがとう、」







これから始まる。全部新しく。




黒「行こ?乃杏。」





ふたりで、新幹線に乗り込む。





繋がれた手。







なんの不安もなかった。蓮くんの言葉のおかげで。




「頑張ろう、ふたりで」








黒「約束する。守るよ、ずっと。離れないよ」








私は本当に、蓮くんしかいない





そんな環境になった。










どんどん、依存していく一方だった。

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作者名:あまつかくらげ | 作成日時:2024年3月20日 21時

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