Dream*5 ページ7
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“今日一緒に昼ご飯食べませんか?”
“ごめんね、今手が離せなくて。”
“今日一緒に帰りませんか?”
“ごめんね、今日は帰りに寄るところがあって。”
“今日デートしませんか?”
“ごめんね、まだ仕事が残ってて。”
阿部くんから距離をとろう作戦4日目。
もうすでに辛い。
阿部くんのお誘いを断る度に泣きそうになる。
毎分毎秒、私を後悔が襲ってくる。
こんな作戦やめたい。
「あぁ〜…」
楓とすごすいつもの昼休憩。
メンタルがこんなにズタボロな状態でも平常通りにお腹が空く自分に嫌気がさす。
「なに、どうした。」
「しんどい。非常にしんどい。早く楽になりたい。」
「あるよひとつだけ。楽になる方法。」
「な、なに?!」
「今すぐ阿部くんに会いにいく。」
「それ以外でお願いします…」
「だから言ったじゃん。そんな作戦無意味だって。」
呆れた顔で楓にそう言われる。
そんなの分かってたよ。
薄々気付いてたんだよ、意味ないって。
「いつもはあんなに阿部くん大好きなAがデート断るとか怪しすぎるし、向こうも絶対何かしら勘づいてると思うけど。」
「え、」
「よっぽど阿部くんが鈍感じゃない限り、今回のはさすがに分かるって。もしかしたら自分嫌われてるんじゃないかとか思っちゃってるかもよ?」
「えぇ…」
「Aの大大大好きな阿部くんが、現在進行形で傷ついてるかもよ?しかもAのせいで。」
「……。」
「A、もう諦めなよ。」
あんなに固く決意したのに、1週間ももたないなんて。
自分が情けない。
「彼氏に依存したっていいじゃん。それだけ好きになれる人に出会えたのも奇跡じゃん。誇れることだよ。」
楓の言う通りなのかもしれない。
私がこんなに誰かを好きになることはきっとこの先ない。
こんなに好きになれたのは阿部くんだからだもん。
この奇跡を自ら手放そうとするとか、私何やってるんだろ。
「楓……好き。」
「その言葉は今すぐ阿部くんに言いなさい。」
「楓、これからも私と仲良くしてね。」
「なに急に改まって。そんなの当たり前でしょ。」
「楓と同期で良かった。」
「私もそう思ってるよ。」
「あと照も。」
「いや、照の扱い雑じゃない?」
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作者名:夏目 | 作成日時:2024年3月26日 17時